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2013年5月21日 (火)

ビブリオバトル観戦記(in早稲田大学 2013/5/20)

「ビブリオバトル?なんだそれ?」

そんな人のために説明すると、ビブリオバトルとは「参加者が本を持ち寄ってプレゼンをし、どの本が一番読みたくなったか」を決定する知的書評合戦である。

 

【ビブリオバトルの手順】

1.お気に入りの本を持って集まる!

2.順番に一人5分で紹介する!(+2~3分のディスカッション)

3.「どの本を一番読みたくなったか?」で投票を行い チャンプ本 を決める!

(知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイトより)

 

このビブリオバトル、最近徐々に知名度を上げてきている。文春新書から『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』(谷口忠大著)が発売されたほか、新聞やテレビメディアにも紹介された。

 

手軽に行える書評コンテストという、読書好き、特に書評好きにとっては垂涎もののこの企画。調べてみたところ、大学や書店などでけっこう頻繁に行われているらしい。

ということで、実際に観戦してきました!

場所は早稲田大学図書館。雨の中にもかかわらず観戦者は20名ほどいました。

今日は準決勝ということで参加者は五名。この内三人が決勝に進出します。

五名の持ち寄った本は、

 

 『市民の会議術 ミーティングファシリテーション入門』/青木将幸

 『人は何故学ばなければならないのか』/斎藤孝

 『怖い絵』/中野京子

 『残像に口紅を』/筒井康隆

 『絶望の国の幸福な若者たち』

 

の五冊。

十人十色ならぬ五人五色。それぞれ全く異なるジャンルの本を各自の切り口で紹介していました。

例えば「人は何故学ばなければならないのか」を紹介した男性は、素朴な疑問を考えるところに学びがあるという筆者の主張を、「何故アリは存在しているのか?」という本文中にある一節を引用して紹介していました。

また、「絶望の国の幸福な若者たち」を紹介した男性は、「今自分が幸せだと感じているか」「日本の将来に希望を感じているか」といった質問を投げかけることで、本の内容を観戦者にとって身近に感じさせるという工夫を凝らしていました。

バトルと銘打っているものの、終始和やかなムードで行われていた本大会。参加者がプレゼンや質疑応答中に見せた素の表情に、場内から笑いが沸き起こるなどの場面も。

 

そうしてあっという間に終わった本大会。

結果は……

・『人は何故学ばなければならないのか』/斎藤孝

・『残像に口紅を』/筒井康隆

・『絶望の国の幸福な若者たち』

 

を紹介した三名が決勝進出!

中でも『残像に口紅を』は観戦者から強く支持され、本日のベストに決定しました!

プレゼンを聞いていて、「実際に読みたい!」と思わせるような、まさにビブリオバトルの本義をかなえるような発表でした。

 

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。

(BOOK」データベースより)

 

ベスト本に選ばれた『残像に口紅を』のプレゼンは、テーマを一言で表していた点と、発表者がどこに魅力を感じていたかを自分の言葉で伝えていた点が印象的でした。

「言葉自身に感情移入できるかということを試みた実験的小説」と作品のテーマを言い表したのちに、「二回目に読むときには消える前のひらがなにノスタルジーを覚える」として、ひらがな一つ一つに対する自分のイメージを伝えていました。考えていた言葉なのか即興で捻りだした言葉なのかはわかりませんが、作品の魅力を伝えたいという率直な気持ちが伝わってくるプレゼンでした。

 

初めて観戦したビブリオバトルでしたが、「こういう切り口もあるんだな」という気づきの得られる良いイベントでした。もっと流行ってもいいんじゃない、これ。

 

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